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【第11回目】 チャイルドライン(宮崎日日新聞社 細見コラム「よりよく生きる」2022年2月16日掲載分)
【第11回目】
チャイルドライン
(宮崎日日新聞社 細見コラム「よりよく生きる」2022年2月16日掲載分)
皆さんはチャイルドラインをご存じですか?。フリーダイヤルの電話相談やオンラインチャット相談を通してこどもの声を聴き、こどもの自立を支援する全国的な活動で、継続的な研修を受けたボランティアによって運営されています。宮崎にも実施団体である「チャイルドラインみやざき」があり、私も顧問として毎年開かれるボランティア養成講座で講師をしています。
こどもが健康に成長していくためには安心して過ごせる環境づくりが重要で、中でも信頼に値する大人との出会いはそのこどもの運命を左右すると言っても過言ではありません。では、こどもにとって信頼に値する大人とはどのような人なのでしょうか。それは「大好きだよ」「頑張ってきたね」「つらそうだね」「不安なんだね」「そう思うのは自然なんだよ」など愛情、注目、理解、肯定など、こどもが必要とするものを与えてくれ、仮に問題があっても問題が問題であってあなた(こども)が問題ではないことを繰り返し伝え、その問題解決の方法についてこどもの人格を認め尊重しながらこどもと対等に話し合いができる大人です。さらに自分自身が抱えている課題に真剣に取り組んでいる姿を隠すことなくこどもに見せることができる大人です。
20年ほど前に内閣の私的諮問機関として設置された教育改革国民会議が「子供の教育の原点は家庭」ということを全面に押し出したことがありました。しかし、信頼に値する大人を家庭の中だけに見ようとすると、家庭によっては負担となり、虐待・家庭内暴力に拍車を掛けることすら懸念されます。そのためチャイルドラインなど、「こどもは社会が育てる」という仕組みを整えていくことが極めて重要です。
こどもをはじめ高齢者や障害のある人など、いわゆる社会的弱者と言われる人たちが安心して暮らせる社会を作ることは、私たちにとっても暮らしやすい社会になるのではないでしょうか。