ウエルフェアみやざき総合研究所

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【第18回目】宮崎日日新聞生活情報「ゆとり」寄稿 2022年6月8日掲載分

【第18回目】

宮崎日日新聞生活情報「ゆとり」寄稿 2022年6月8日掲載分 

よりよく生きる 18

 

「アートリップ」へようこそ~絵でつなぐ心の健康~

ウエルフェアみやざき総合研究所 精神科医 細見 潤

 

アートセラピー(芸術療法)とは絵画や音楽、演劇など芸術的な表現や鑑賞を通して自己表現や精神的安定を図る心理療法のひとつです。身近なところではカラオケがあり、大好きな歌を大きな声で歌ってストレス発散している人は多いと思います。

 

「アートリップ」は名作と言われる絵画を見ながら参加者が感じたこと、思ったことをアートコンダクターの進行のもとに自由に発言、共有する対話型のアート鑑賞プログラムです。ニューヨーク近代美術館では1980年代後半から導入されており、「アートリップ」は児童から高齢者に至るまで、幅広い年齢層の心の健康に極めて効果があると評価されています。

 

私は多くの皆様の「よりよく生きる(ウエルフェア)」という前向きな気持ちを少しでも応援したいと思い、昨年4月にウエルフェアみやざき総合研究所を開設しました。その設立記念として「アートトリップ」をテーマにした講演会を企画したのですが、コロナ蔓延のために叶いませんでした。まだまだコロナが終息したというには程遠い感がありますが、今月26日(日曜日)に規模を縮小して宮崎県立美術館にて講演会&ワークショップを開催することにしました。

 

講師の林容子さんは米国ケースウエスタンリザーブ大学医学部客員研究員として2013年から2016年の3年間に渡ってアートが脳に与える影響について研究し、現在は国立西洋美術館をはじめとする国内外の美術館や国内の保育園、幼稚園や中学校、高齢者施設や認知症カフェ、病院などで「アートリップ」を実践し、子どもの自主性や問題解決能力の育成、高齢者の生きがい作り、認知症のリハビリなどに尽力されています。

 

まだまだわが国では美術館の敷居は高く、日常的に美術館を訪れる人は少ないようですが、この講演会&ワークショップを通して参加者が作品を鑑賞する楽しさを再発見し、美術館を気軽に利用してご自身の「ウエルフェア」に役立てていただくきっかけになればと思っています。